自滅にご注意。ソーシャルメディアで社会運動を盛り下げる方法


ソーシャルメディアで度重なるデマ騒ぎ

大飯原発合成写真

 Twitterやfacebookなど、ソーシャルメディア上で話題になっている、この写真。これほど大きな横断幕なのに、文字に皺が寄っていないなど、明らかに画像修正されたデマであるという、話が出ています。

 
 ソーシャルメディアは社会運動をおこすものと言われていますが、今回の事件も含めてみていると、日本の場合、社会運動の空気をぶち壊す方向に向いているのではないかと思います。
 仮に、ソーシャル上で社会運動を盛り下げる工作的な方法を、サクッと書いてみます。

ソーシャルで社会運動を盛り下げる方法

仕掛

社会運動の賛同派が食いつくが、明らかに偽造と分かるツッコミポイントも残した画像を用意。それをダミーのアカウントで、TwitterやFacebookにバラ撒く

拡散

賛同派が食いついてRTやシェアでどんどん拡散する。

反撃

過熱気味に拡散した所で、ガセネタであることをソーシャル上で指摘しまくる。

逆上

多くのユーザーは、ガセネタだったあることを謝罪したり、リツートやシェアを取り下げたりするが、一部には、「道義的に間違っている事を告発するのに、ガセネタでも構わない!」と逆上気味に反論する賛同派があらわれる

工作

一部の人の逆上した言動が釣れたら、togetterNaverまとめ などで集約し、社会運動をしている人達は、身勝手な思想と、破綻した論法を用いる人達であるとイメージ付けて、それを面白おかしく、ソーシャルメディアで広げる

鎮静

それを見た多くの一般市民は、そのメッセージの本質よりも、デマだった事実に冷める。また、デマを広めさせられて騙された人達は、以後、その話題についての拡散は、それが本当の事であっても、慎重になる。
こうして、社会運動は広がらず、一部の人達の運動だけで終始。社会運動を孤立化させて、体制な人達はメシウマです。

社会運動こそ情報の正確さが命

 これを書いたのは社会運動を、馬鹿にしているわけではありません。
 
 ソーシャルメディア全般的な問題なのですが、感情的に反応してしまい情報の真偽を全く確かめずに、脊髄反射でデマを拡散する。その繰り返しが、逆に日本で社会運動の気運を盛り下げる原因になっていると感じます。
 
 メッセージ性が強く、感情を揺さぶられがちな社会運動をやっていくからこそ、そういった運動をされる方は、冷静になって情報の真贋を精査して、正確に訴えを伝えるべきです。
 
 色々な社会運動がありますが、多くは日本の将来にとって有意義なものである筈です。日本を変えるためには、その熱い情熱を胸にして、常にクールな判断を以って、社会運動を行なってください。
今回のまとめ
強いメッセージを出す時こそ、情報の真贋は確かめる

 

追記 2012/6/25
 冒頭の写真、Facebookでの元ネタはこちらの模様。制作者が合成である旨をコメントで書いたものの、そこが読まれずに、ネット上で事実だとして拡散してしまったようです。結局、デマ騒ぎに位置づけられしまった事からも、今回の合成は逆効果になっています。
 ネット上では、発信した情報は、自分の意図を超えてしまうことを意識して、情報の受け取り手が勘違いする要素は排除して、万全の形で発信することが大切であることを、示唆する事例だと考えます。

関連:ソーシャルメディアで「感動できればデマでも良い」ではいけない理由