購入の決定権は100%がお客様
「会社は粗利益で生きている」
中小企業の経営戦略の基本である、竹田陽一先生のランチェスター経営。その初期に教えられる事実がここ。
そして、粗利益をもたらすのは、当然、顧客となります。この時に、竹田陽一先生が、強調して仰るのが「購入の決定権は100%、お客様にある」という事実です。
裏返すと、購入の決定権は、1%たりとも、企業に存在しない。という事実になります。
こうして文章に書くと、そんなのは当たり前だ。という、中小企業の社長さん達の声が聞こえてきそうです。
しかし、業績が悪い企業ほど、ここを軽視しているのが、実際です。
企業から顧客への甘えは許されない
企業に1%たりとも購入権がない。更に突き詰めると、こうです。
企業は、決定権者であるお客様に、1%たりとも甘えることは許されない
顧客に甘えることなどしていない、と仰る経営者も多いことでしょう。それは、認識が甘くて、自身で気付いていないだけです。だからこそ、重症なのです。
典型的な中小企業の甘えの事例
いい物を作っていれば、買ってくれる
これが日本の中で、最も多い、甘えなのかもしれません。企業は、作ることだけを行い、顧客に伝えて売る努力を怠たる。その末に、こう言って、顧客に甘えようとしています。
しかし、伝わらないものは存在しないのと同じ。結局、自慢の良い物が売れず、困っている製造業だらけなのが、日本国内の実情です。
その他にも、企業の顧客への甘えは沢山あります。例えば、あなたがお客さんだと想像してください。企業から、下記のように説明されて、納得して購入されますか?
接客が悪いけど、美味しいから
「多忙で社員教育ができなくて、接客が悪い。けれど、料理は美味しいから、ぜひ、常連になって欲しい」
接客を我慢してでも食べたい絶品なら、行くかもしれません。しかし、それは殆ど無いですね…
これだけ原価が掛かっているから
「製造原価は3000円。なので8000円で販売しなければ、元が取れません。買ってください」
買うか否かは、自分の価値観と、市場の相場観で決めること。原価がいくら掛かったとか言われても、関係ありません。
あなたは、100%の決定権を持つ、お客さん。なので、必要十分な価値があれば、買います。その価値がないのに、企業側から理由を述べられても、それは単なる言い訳にしか聞こえませんね。
つまり、この逆も真なりです。
経営者は厳しく自覚する
当たり前の話だと思っていたことが、実は会社にとって、どれだけ厳しい現実であるのか。きっと、真摯に経営を頑張っている方は、分かって頂けたかと思います。
さらに今後は、景気後退で消費は縮小。ますます商品やサービスが売れない。輪をかけて、「企業の言い訳」は通じない世の中になっています。
「購入の決定権は100%お客様にある」
この竹田陽一先生の言葉の重み。しっかりと噛み締めてください。そして、腹をくくって、今から企業経営に臨みましょう。
今回のまとめ 顧客への甘えがなかったか、振り返る