中小企業にお勧め!提案制度で顧客の経営参加→売上アップ


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経営にお客様を巻き込もう

 多くの企業がソーシャルメディアに感じる魅力。それは、あり得ないくらい、お客様との距離が近くなれることでしょう。それを突き詰めた究極系が、企業と顧客の関係を超えて、顧客に企業の内側に入ってもらう。つまり、共生関係に至ることですね。

 今回、ソーシャルメディアも利用した、改善提案制度を実施。そして、この究極系を実現しましょう!というご提案。特にBtoC(対個人ビジネス)のサービス・飲食・物販業に示唆に富む記事ですので、ご参考ください。

未来工業の提案制度

 まず、優れた企業内の提案制度として、国内でも著名。岐阜県の未来工業の提案制度について、ご紹介します。

自然と社員が工夫や改善を考える習慣を身につけさせるために生まれたのが「報奨金制度」だ。
未来工業では提案内容を吟味する前に、提出しただけで500円が現金で支払われる。改善提案という行為のハードルを下げるためだ。

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 社内に提案制度がある企業は多い。しかし、それが有効に機能している企業は少ない。

 未来工業では、提案用紙を提出さえすれば、どんな提案でも500円を支払う。かなり斬新な提案制度です。当然、優秀な提案には、更に報奨金が支払われます。

 中小企業であれば、この提案制度を導入したとしても、出費は社長のお小遣い程度。そして、得られる結果は、売上アップ新商品開発コスト削減など、多くの社員の積極的な経営への参加意識。単純ですが、非常に効果の高い制度になっています。

 未来工業の提案制度は社内向けです。これを社外のお客様に応用すると、更に素晴らしい制度になります。

顧客からの提案制度を導入する意味

 企業と顧客の間にある、越えられない壁。ここを密な交流をもって、企業の内側に引きこみ、支援者となって頂く。これがソーシャルメディアへの期待です。
 提案制度では、一時的とはいえ、顧客に企業の中の人になって、改善提案を考えて頂くこと。これも顧客に壁を超えて内側に入って貰う、大きな原動力となります。

 そして、自分の提案したものが、実際に企業で実施される。更に、ブログやソーシャルメディアなどで、公に実施報告をしてくれたら、提案を行ったお客様は、大いに喜ばれます。
 それ以後は、提案制度には勿論、その企業から働きかけに、より積極的に参加してくれるでしょう。

 他に、もっとストレートな効果は集客アップです。既存顧客に、次回使えるサービス券や商品券を報奨にすることで、再来店・再購入など、リピート率がアップする。こんな、副産物的な効果を狙うこともできます。

提案制度の実施案

 それでは、顧客参加型の提案制度について、実施案を書きます。但し、これは一例ですので、それぞれの企業状況によって、上手にアレンジをしてください。


1.提案制度の決定

 下記の要点を決めて、提案制度を作りましょう。

提案制度の実施目的の決定

 ここはリピート率のアップが目的でも構いません。出来れば、より上位概念である、お客様との関係性の向上。ここを目的にして頂きたいです。

提案制度の担当者

 責任者・担当者を決めて、きちんと運用できる体制を構築します。

報奨の支払い対象と、支払い条件

 ここは企業の状況と判断次第です。
 最低限、入れて欲しい設定は「既存顧客を対象とする」「提案者の全てに報奨する」の2点です。

提案の検討・実施方法

 お客様から改善提案を提出して頂いた後に、どう提案を吟味するのか。どう実施するのか。どう実施した後に、報告をするのか。ここを決めなければなりません。

実施期間

 いきなり提案制度を常設にせず、試用期間をおいて様子を見た方がベストでしょう。
 なぜならば、提案制度を実施して、何らかの不具合があっても、期間設定があれば、一区切りが入ります。そして、改善した後に、仕切り直しで実施をする。これを繰り返すことで、更に良い制度に、向上させることが出来ます。

2.提案用紙の作成

提案したくなる!がポイント

 事務的な文章で、お客様に提案を求めても、決して書いて頂けません。そもそも、提案をして頂きたいのは、あなたの商品・サービスに納得している。そして、あなたの会社や店舗に協力をして上げても良い、と思っているお客様です。
 お客様のイメージ像を明確にする。その上で、どうお願いをすれば、提案を書いて頂けるかを、きちんと考えましょう。

 合わせて、提案実施後の報告について、実名・匿名でネット公開がOKか否かも、用紙上で許可を取るのも、お忘れなく。

3.提案の実施を報告する

既存媒体はフル活用する

 持っている媒体はフル活用すべきです。当然、ホームページやブログでの報告は勿論、FacebookやTwitterなどのソーシャルメディア。定番であるメルマガ。インターネット系の媒体は、コストも低いので、絶対に使うべきです。
 勿論、チラシなどのアナログ広告にも使用する。そして、最も重要なのは、店内で提案の改善実を掲示して、顧客に報告することです。

 また、媒体を使った報告は、個人情報の公開の許可範囲をきちっと意識して行いましょう。

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お客様は同志

『お客様は神様です』
 昔、こんなキャッチフレーズが流行りました。今のソーシャル時代には、企業とお客様が一緒になって、価値を創りあげる、共創価値の時代だと言われます。

 その一方で、お客様と必要以上に近づき過ぎて、べったりな「お友達」関係を形成。それが、顧客からの権利要求のエスカレートや、他のお客様が入り込み辛い環境を作り出す。こういった事例も聞かれます。

 明るく友好的だが、節度ある距離感を保ちながら、一つの価値を追求する。ソーシャルメディアも存分に活用し、「同志」たる関係性を構築することが、お客様と共に企業が生き残る、正しい道ではないでしょうか。

 「お客様と共にある」という意識は、地元で頑張ってきた、中小企業や個人事業主は高いです。だからこそ、提案制度やソーシャルメディアを活用して、共に価値を創りあげる!
 是非、次のステージにお進みください。

今回のまとめ
提案制度で顧客を巻き込み、同志を増やそう

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