日本のネットの歴史上、過去最悪か?
「Facebookのアカウント乗っ取りで、広告にカードで12万円、勝手に使われた」
「LINEのアカウント乗っ取りで、友人達に総計70万円以上の被害が出た」
主要ソーシャルメディアのアカウント乗っ取りと、それによる金銭的被害の報告を、毎日のようにFacebookやtwitterで見るようになりました。
これまでインターネット詐欺などは、知識や警戒心の無い、ネット初心者が騙されるもの、というのが相場でした。が、今回は、ネットに知識があって、それなりに自衛している人も被害に遭っています。
20年以上、ネットの世界を見ていますが、初心者から上級者まで幅広く、乗っ取られて、金銭的な被害に遭う。しかも、それが収束するどころか、ますます拡大する気配。
今の事態は、過去の日本のインターネット史上でも、過去最悪の状況かもしれません。
今回は、初心者さんは特に知っておかなければ、自分も友達も危ない、自衛のための基礎知識を臨時でまとめます。
特に自衛すべきサービスとは
まず、主要なソーシャルメディアやネットサービスのIDとパスワードの管理は厳重に行わなければなりません。特に下記に上がるサービスは、意識をもって、対策を行うべきです。
“個人”を証明する社会インフラ化したSNS
LINE、Facebook、twitter、google+など
金銭の決済が出来るECサイト
amazon、楽天、ヤフオク、Yahooショッピングなど
機密情報をやり取りするWebメール
Gmail、Yahooメールなど
企業情報などがあるクラウドサービス
googleドキュメント、DropBox、evernoteなど
ネットバンク、クレジットのオンラインサービス
パスワード管理の基本
乗っ取りやカードの不正利用など、もっとも被害で出る原因は、ずさんな管理で、IDとパスワードが漏れて、それを犯罪者に利用されることです。
また、今回のように、初心者から上級者まで、広く被害にあっているという場合、かなり規模の大きなネットサービスから、IDとパスワードが漏洩した疑いすらあります。
IDとパスワードは以下の管理を徹底してください。
- パスワードは、英字の大文字・小文字、数字、記号などをランダムに配列し、まったく他人が予測できないものにする
- サービス毎にパスワードは、まったく別のものを使う(出来ればIDもサービス毎に変える事がベター)
- 各サービスはハッキングされる可能性があることを前提に、定期的にパスワードを変更する
用意されたセキュリティ機能を使用する
各主要サービスには、二重認証やシークレットIDなど、セキュリティを強化するオプション機能が用意されている場合が多いです。それらを、必ず設定しておきましょう。
尚、主要サービスのセキュリティ機能は、下記にて、別途まとめてありますので、ご参考ください。
【資料】至急設定!主要ソーシャルメディアのアカウント乗っ取り予防対策集まとめ
その他、自衛の基本中の基本
- TwitterやFacebookなどでアプリの許可を求められた場合、100%信頼出来るもの以外は、拒否。無闇にインストールしない。
- TwitterやFacebookなどのインストールされた、アプリを確認。今現在、確実に使用しているもの以外は、全て削除しておく。
- SNSで身元不明な人、よく分からない人とは、繋がりを一切持たない。
- 外出先で正体不明なフリーWi-Fiに、迂闊に繋がない
- アンチウィルスソフトは必ずインストールして、常時アップデートする
【関連】この画面にピンときたら即キャンセル!Facebookの怪しいアプリは承認しない
奪える者から奪う
「金持ちが狙われて、庶民は狙われない」
初心者さんに多い思い違いです。
ネット犯罪の場合は、危機管理の意識が甘い。または、疑わず直情的に行動するなど、嵌めやすいカモから効率よく絞りとる。
「ある者から奪うよりも、奪える者から奪う」が基本です。
今回、紹介した事を実施したからといって、100%でネット被害が防げるとは言いきれません。しかし、「奪いづらい」側に入ることで、被害に遭う可能性は、大きく減らせる事は確かです。
ソーシャルメディアのアカウント乗っ取りが怖いのは、自分に被害があるだけでなく、貴方の信頼を利用して、友人・知人に被害をだし、被害者が加害者になる。それが、どんどん広がっていく構造にあります。
インターネットは便利で欠かせないものになりましたが、同時に、ちょっと油断していると、気づかない間に犯罪の当事者になっている。そんな危険が、ゴロゴロ転がっています。
海外など治安の悪い都市で、浮ついて行動していると、すぐに身ぐるみ剥がされますよね。国境がなく、巨大なネットの世界は、それと同じです。しっかり、安全の為のルールを学ぶ必要があります。
友人に迷惑を掛けて、いたたまれない状況に陥る前に、しっかりとご自衛ください。