顧客維持!社長や店長は命を削ってでもお客様の二度目を考える


このお店には二度と来ないから!

「お客様が来ない」

この状態は企業や店舗にとって非常に悩ましい問題です。この「お客様が来ない(買ってくれない)」には2つの状態があります。

  • お客様が知らなくて来ない
  • 一度は来た(買った)が二度と来ない

お店に来ないという結果ではどちらも同じに見えますが、企業経営から見ると、この2つには天地の差があります。

今回は複数回の来店や購入・契約が必要な企業やお店にとって、最重要な顧客維持の考え方について。

ニ度と来ない!は終わりの始まり

まず、知らないだけで、お店に来ていないお客様ばかりであれば、実は救われれます。これは、チラシやホームページなどの販売促進を勉強して、有効な集客策を実施すれば、新たにご来店をいただける可能性があるからです。
また、お店や商品・サービスを気に入っていただけば、ニ度目につながり、更には常連顧客になってくれる可能性もあります。つまり、まだ商圏には潜在売上が残っています。

しかし、一度は来た(買った)ものの、もう二度と来ないと思われたお客様の場合、その後にどれだけチラシを撒こうか、どれだけ大幅な割引をしようが、そのお客様の心に届きません。再来店は絶望的です。

生涯顧客価値の追求

実際、皆さんの中でも、期待して行ってみたのに、思ったよりも大したことがなかった。もしくは、不満足な対応をされて行かなくなった店は、いっぱいありますよね。そんな内に、いつの間にか潰れていたお店も、いっぱいありますよね…

その商圏で「二度と行かない!」と思った顧客ばかりになれば、潜在売上は皆無になって、その行く末は閉店・倒産。

「二度と来ない!」というお客様が一人でも増えることは、企業にとって終わりの始まりなのです。

営業戦略と顧客維持戦略はセット

私の師匠、竹田陽一先生のランチェスター経営戦略には、経営の八大要因というのがあって、その中で、企業が商品・サービスを売っていく為には、新規顧客の獲得である営業戦略。次に、顧客を維持して安定した売上を立てる顧客維持戦略の2つがあって、これは必ず2つでセットで考えなければなりません。

竹田陽一ランチェスター経営の8大戦略

中小企業によくある風景が、顧客維持を全く考えずに、新規顧客の獲得だけに目を奪われて、二度と来ないお客様ばかりを増やすことです。こんの行為は、経営戦略の観点から見れば、「犯罪」そのものです。そして、犯罪を繰り返すと、市場から、企業に対して死刑(倒産)が執行されます。

新規営業の強化を行うのであれば、初回の来店・購入時の時点で二回目につなげる為の顧客維持を徹底的に考え実行するのが、中小企業の社長や、事業責任者たる店長に与えられた、絶対的な役割です。

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飲食店の新規開店によくある怖い話

飲食店の新規オープン。売上を急ぐあまりに、スタッフの訓練レベルが低いままオープン。商圏に新装開店のチラシを、大々的にばら撒く。

当然、調理場もホールもスタッフが慣れていない上に、ダメ押しでお客様が殺到すれば、料理の提供時間の遅れや、調理ミス。オーダーの聞き取り間違いなどが多発します。新規のお店にワクワクして来たのに、それが裏切られることで、ほとんどのお客様が、もうこの店には「二度と来ない」と思います。

すると、新規オープンから間もなくは、連日、最高の売上を達成して、これは行けるぞ!とオーナーが思っていたのもつかの間、しばらく経つと、客足がバッタリと止まる。
そこから、テコ入れで、大幅割引のキャンペーンやクーポンを入れてもチラシを巻いても、ほとんどのお客様が二度と来ないと思っているので、最初のチラシの効果が嘘のように、お客様が来ない。
こうして右往左往しているウチに、お店の経営は悪化して閉店へ…

こんな笑えない、よくある悲劇が繰り返されるのが飲食業界です。

これを避ける為には、オープンを慌てず、万全の料理提供と接客を出来るように徹底的にスタッフを教育訓練する。同時に、ニ度目に来て貰う為の施策も徹底的に考えなければなりません。
特に、これから脱サラして、飲食店を起業されようと考える方は、お気をつけください。

親子丼

ソーシャルメディアは顧客維持に

Twitter やFacebook などのソーシャルメディアは、来るかわからないユーザーと交流する、新規顧客の獲得に使うよりも、既存顧客と交流し、信頼を深めて再来店に繋げる、顧客維持を目的としてたツールとして最適です。

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いずれにしろ、複数回の来店や購入される、商品・サービスをビジネスにしているならば、既存の顧客維持の手法に、どうやってソーシャルメディアを組み合わせるかを、徹底的に考えてみてください。

お客様が「二度目も来たい!」と思って頂けるか否かで、企業やお店の生死が決まる。簡単かつ絶対の真理です。

特に中小企業の経営者や店長は、お客様に「二度と来ない」を撤廃しつつ、積極的な「二度目も来よう!」へのステップアップを目指す。

これこそ本当に命を削ってでも、徹底的に考えましょう!

今回のまとめ
新規獲得と顧客維持を表裏一体で考える

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