顧客のFacebook率95%!かくうちうえだ成功の理由。第一部


かくうちうえだ

お客様のFB率は驚きの95%!

 福岡県北九州市に一切の広告宣伝費を掛けず、お客様をFacebookだけで集客している、凄すぎる飲食店がある。その名は、上田奈美さんがママを務める、かくうちうえだ

 この店の噂は、九州講演ツアー中に聞きました。それも、地元の北九州でなく、少し離れた福岡市でも、行った事はないが、名前は聞いたことがあるという福岡市民までいたりする。まさに福岡の都市伝説といえるお店。

 そんな凄すぎるかくうちうえだ。その成功の秘訣が気になって仕方がないので、敢えて北九州泊をして、突撃取材をしたのが、この記事です。

 新規・再来店顧客のFacebook使用率は約95%という、おそるべき成功の秘密は、結局はFacebookではない!という結論に至る、渾身の三部作。

 なぜそうなるのか?お客様を集客したい!とお考えの方は、隅から隅まで、じっくりとお読みください。.

かくうちうえだとは?

 店主は上田奈美さん。そして、お店のスタッフも上田さん一人だけ。席数は、座席4に、椅子が8程度。立ち飲みスタイルでも20人も入ればギュウギュウ詰めという、小さな、角打ちスタイルのバーです。

 岐阜在住の私も、角打ちスタイルは始めてだったのですが、そもそも、角打ちは、こういった意味だそうです。

 「日本国語大辞典」(小学館)には、「酒を升にはいったまま飲むこと」。方言として、「升で酒を飲むこと、酒屋の店頭で酒を飲むこと、金銭を出し集めて宴をすること」とある。

 北九州では、「酒屋の店頭で酒を飲むこと」を「角打ち」と言う。もともと、秤り売り用の酒を、升を借りて縁に乗せた塩をアテに、その場で立ち飲みしていたものであろう。

北九州角打ち文化研究会より

かくうちうえだで呑んでます

 これが実際に、私が呑んでいる時の写真で、写っているのが、店主の上田さんです。黒霧島のロックと、缶詰の鯖の味噌煮を食べながら、お客様と談笑しながらの取材中です。

 支払いは、升にお金を入れておいて、ドリンクツマミを頼むごとに、その升から金額が清算される、現金引換スタイル。かくうちうえだは、ドリンクは300円~。ツマミも50円~(缶詰・カップヌードル・スナック菓子・うまい棒など)。そして、チャージ料もありません。

 どんなに呑んだって、3000円を超えることはないし、事前にお金を出すので、予算管理もバッチリ(笑)。

 お店でガッツリ呑むよりも、小倉で呑む際の二次会・三次会や、代行運転やタクシー待ちの間の「寂しいので、ちょっと一杯」で、一杯だけ呑んで、少し話して盛り上がって、帰られる人も多いらしく、とても立ち寄りやすい大衆店スタイルです。

TwitterからFacebookへ

 かくうちうえだが、Facebookの繁盛店になるまでには、Twitterというステップがありました。

 クラブで20年務めた上田さんが、北九州小倉にかくうちうえだをオープン。丁度、その頃に、友人がTwitterブームで始めたので、それをフォローするためにTwitterをスタート。

 そして、クラブ時代からの繋がりがあるお客さんは勿論、北九州のTwitterユーザーのビジネス人との新しい繋がりも出来て、アカウントのフォロー数は1000人を超えます。

 そして、実際にtwitterは来店効果にも繋がっていましたが、同時に浅い繋がりの集合のTwitterに限界を感じる中で、Facebookが登場。上田さんはFacebookに可能性を見い出し、Facebook移行を宣言して、それを実行します。

「うちはFacebookで交流する事が目的ではなく、お客様に来店して楽しんで貰うことが目的。そのツールとして、Facebookが一番良かっただけ」

かくうちうえだ店主、上田奈美さん

お客様を繋ぎ止めたい。それだけ。

 なぜ、Twitterでなく、Facebookの方が良かったのか。

 それは、上田さんの考え方では、商売ではお客様を繋ぎ止める事が最大のテーマであり、その点において、Facebookが圧倒的に優れたツールだったからです。
 Twitterは、人間関係を0から1には出来るが、非実名制で繋がりも薄い。しかし、来店したお客様と1の人間関係があってFacebookで繋がれば、きちんと交流を積み重ねる事で、1を10にして、確実に再来店という結果に繋がる。

 薄っぺらい人間関係から、来るかわからない新規来店に淡い期待をするよりも、濃い人間関係でリピートを確実に発生させる。お客様の来店こそが、自分の生活の生命線となる、個人店舗の経営者だからこそ辿り着いた、必然の結論といえます。

普通の人も偉い人もFacebookへ

 私は、この取材での約6時間近く、お店に入り浸っていましたが、その来店される客層が凄い。

 普通の人も来ますが、そこに混じって、北九州の凄い実業家。凄腕の医師音楽関係者。小倉の地元の重鎮。などなど、夜の街でも、客単価が数万円の高級店に居てもおかしくないクラスの人たちが、客単価3000円も無い、大衆的な角打ちにフラッと立ち寄って、呑みながら盛り上がって、フラッと帰っていく。

 そして、そんな凄い人達も、全員がFacebookをやっている。もしくは、Facebookをやっている人が、Facebookをやっていない友達を連れてきて、上田さんの勧めと、周りのFacebookな雰囲気に呑まれて、その場でFacebookを登録する。

 そして、上田さんとFacebookで友達になる事で、確実に上田さんとお客さんの繋がりが構築される。その結果が、新規・リピートの顧客のFacebook使用率が95%という、脅威の結果です。

 尚、上田さんのFacebook友達の中には、上田さんとしか友達になっておらず、まさに1対1のホットラインになっている、年長者の偉い人もあるとの事。

 また、お店のチェックインも凄い。かくうちうえだのFacebookページは、ファン数は400人に対して、チェックイン総数は1500!圧倒的じゃないか、我がかくうちうえだは!と叫ぶくらいの実績です。

目的はFacebookではなく来店

 ここまで書くと、かくうちうえだ=Facebook、という構図に見えてきますが、上田さんはそこで、こう言われました。

 Facebookはお客様との対話ツールですが、その結果として、お客様の来店に繋がらなければ、何の意味もない。これも当たり前の話です。

 では、かくうちうえだのお客様に来店して貰う為のFacebook活用術とは何か?

 それは第二部にて明らかになります!

徹底して顧客を繋ぎ止めるFacebook活用。かくうちうえだ第二部