事業で大失敗する前に、まずFacebookで小チャレンジを!


中小零細企業が倒産するのは「売れないこと」よりも、売れないことから撤退せずに、更に会社のお金を費やすから。
これからは、即時撤退の軽装戦が大事。その点で、ソーシャルメディアを活用してください、というお話。

悩み

中小零細が新規事業で大失敗する理由

これまで経営者団体などにも所属して、「社長」と言われる人達を数多く見てきた中、当然、倒産した会社を見たり、聞いたりしてきました。
中小零細企業は本業がジリ貧で倒産する以上に、新規事業や多角経営が失敗して会社が傾く事が多く、それらは、大体パターン化されます。

あまり、具体的に書くとマズイので、そのパターンを寓話的に変換すると、こんな感じです。

寓話的 新規事業で大失敗

  1. 「本業がジリ貧。何か、新規事業は無いか…
    あ、そうだ、この周りに温泉が出るているから、きっと所有の土地でも温泉が出るはず!これは儲かりそう!これぞ、神の閃き!」
  2. ロクに地質調査もせずに、見切り発射で温泉施設に着手。が、掘ってみたら温泉出ず。
    「建設費が勿体無いし、取り壊すと更にお金が掛かる。スーパー銭湯にして、乗り切ろう!」
  3.  周りが温泉施設に対して、スーパー銭湯に魅力があるはず無く、毎月赤字を垂れ流す施設になる。
    「赤字だが、設備投資した資金がゼロになるのが勿体無い。きっと、テコ入れすれば、事業は採算に乗るに違いない!」(しかし、あとで考えると、ここが最後の撤退のチャンスだった…
  4. テコ入れとして、逆に派手なテレビCMや、新施設の導入での追加投資を行うも、業績は回復せず。急激にキャッシュフローは悪化していく
    「おかしい。こんな筈では…」
  5. 新規事業のツケが本業にも回って、債務超過になり、倒産。若しくは、本業の一部のみを残して、事業から個人の資産まで、全てを売却する破目に…
    「こんな事なら、こんな事業をやるんじゃなかった…」

新規事業や新商品展開が大失敗するのは、それが売れないからよりも、売れないことに、会社の血液とも言える「お金」を延々と輸血し続けた、失血死です。

そして、そういった失血死に至る危険な事業(社長)には、特徴があります

中小零細が失敗かつ大ダメージになる事業の8つの特徴

  1. 設備投資が高額で、複数年に渡る減価償却やリースが発生する。
  2. 事業廃止時に、社員の解雇や、現状復帰への改修費、違約金の発生など、大きな費用とリスクが発生するため撤退し辛い。
  3. 本業からかけ離れた事業で自社にノウハウが無く、お客様もゼロ。
  4. コンサルやFCなど、運営ノウハウは外部に任せきり。販促なども外部の言いなりで、よりによって、高い広告代理店を使いまくる。
  5. どんぶり勘定で、客観的な予算管理と、事業の採算の見通しは、全く立てていない。
  6. そもそも事業を始めた理由が「儲かるから」だが、客観的に事業が成功する理由が無い
  7.  社長が、周りから「徹底した方がいい」と言われる程、「自分の判断は正しい」とムキになって、突き進む
  8. しかもスタートが「儲かるから」なのに、自分の資金と時間を投じる内に、いつの間にか、「自分の人生を掛けた事業」に脳内変換。本業も疎かに。

企業の倒産は、社員にも、取引先にも、社長本人も、本当に悲惨です。防ぎたいです。

それを防ぐ為にも、Facebookを上手に活用して貰いたいと、切に思います。

まずは、Facebookで小チャレンジして見極めを

Facebookでは、企業がFacebookページという形で消費者に対してアプローと出来る場が無料、若しくは低コストで作成できます。
また、Facebook広告を使えば、地域・年齢・性別を絞って、的確に広告を打つ事ができます。

 つまり、ITに詳しくなくて、Facebookページの制作から広告までを外部に委託したとしても、数十万円の出費で、商品・サービスが売れそうか、そうでないかを判断する、市場調査に短期間で可能であるという事です。

Facebookページ&Facebook広告で出来る調査

  • Facebookページへのいいね!の付き方で、消費者に受けるか否かを判断
  • アイテムの写真投稿への反響の違いから、どのアイテムが評価されるかの判断
  • Facebook広告を性別・年代毎に分けて反応を見る事で、想定の対象顧客に間違いがないかを調査
  • クエスチョン機能(アンケート機能)で顧客ニーズの調査
  • Facebookページで仲良くなったファンから、直接、商品・サービスに関しての聞き取り調査
  • 同じ商品・サービスでも、対象顧客の切り口を変えてFacebookページを複数開設。広告展開も変えて、反響率の違いを見極める

今まで、これらの「売れそうかどうか」の調査は、やたらと料金の高いリサーチ会社に頼むしかなく、中小零細企業には不可能でした。
が、Facebookの出現で、多少の予算と、掛ける時間(若しくは人員)があれば、それが中小零細でも可能になったのです。

中小零細が事業拡大で失敗するのは、失敗する事業の回収を、その事業で回収しようとしてしまう、「ドロ沼」に嵌るから。これは、ギャンブルや先物取引と同じで、一端嵌ると、心理的になかなか抜けだせないのが、最も怖い事なんです…

折角のFacebookというツールがあるのですから、客観的になって見極めをして、駄目そうであれば、ドロ沼に嵌る前に潔く撤退する。
この「軽装戦」の考え方で、変化の激しい、今のビジネス時代を生き延びて、真に自分の会社が戦うべき戦場を見出して頂ければ、幸いです。