大平流!ソーシャルメディアで成果を上げる『複雑系』 を取り入れる


複雑系のFacebook

 Facebookを始め、どんどん新手も出てきて盛り上がるソーシャルメディア。それに流れについていくのは大変ですね。しかし、ソーシャルメディアに振り回されていて、良いのでしょうか?

 先日、名古屋の勉強会『はなれ技研究会』にて、講師のガラパゴスワークス大平佳宏先生から「複雑系のFacebook」という講義を聞き、非常に気付きがあったので、シェアします。

ガラパゴスワークス

複雑系とは何?

 おっと、まず『複雑系』って何でしょう。辞書を引くと、下記の通りです。

数多くの要素で構成され、それぞれの要素が相互かつ複雑に絡み合った系またはシステム。脳、生命現象、生態系、気象現象のほか、人間社会そのものが挙げられる。個々の要素の振る舞いや局所的な擾乱が系全体に大きな影響を及ぼす非線形性、複雑で予測不可能な振る舞いの中にも一定の秩序が形成される自己組織化といった特性をもつ。

これだけだと、よく分かりません。大平先生のテキストに移りましょう。

複雑系の3つの知

 大平先生によると、複雑系には、3つの知があります。

複雑系のFacebook

全体性の知

「複雑化」すると「新しい性質」を獲得する

 ソーシャルメディアは単体だけで実行しても、なかなか効果を発揮しません。

 Facebookの場合は、ホームページブログYoutubeなどの他のネット媒体。更に、リアルでのチラシイベントなど、様々なパーツを組み合わせて、「」とする事で成果を発揮します。

 人間とは、色々なパーツ(臓器)が組み合わさった(肉体)であるのと、同様です。

 しかし、Facebookは儲かると聞いて、Facebookにだけ注力をして、他のパーツを殺してしまうと、成果が出ないどころか、全体を殺します。それは、心臓肝臓だけを取り出して放っておけば、命を落とすのと同様です。

 パーツの役割を、ある程度は理解しつつも、それぞれを全体としてまとめる。そして、単体に固執しないで、全体を考えての運用することが重要です

創発性の知

「個の自発性」が「全体の秩序」を生み出す

 ソーシャル&リアルなどのコミュニティに様々な人が参加して、意見を酌み交わすと、思い掛け無いような発想・企画・イベントが出て、それが予想を超える結果に繋がります。
 但し、これは参加者の「自発性」が発揮されることが前提で起こる話です。

 よく見られる、形式ばった細かいルールの押し付けをするコミュニティ。コミュニティリーダーや「声の大きい人」の独断で物事が決まる、参加意識が持てないコミュニティでは、参加者の意欲が激減しますので、その結果、まったく良い意見は出なくなります。

 まとまりも大事ですが、参加者の自発性も両立する、コミュニティ運用が大切です。

共鳴力の知

「ミクロ」のゆらぎが「マクロ」の体制を支配する

 参加者の個々のゆらぎが増幅することで、大きな潮流を生む。これは、ソーシャルメディアでも、実社会でも体感されている方もあるかと思います。最近は、ソーシャルメディアで突如起こる、ブーム的なものは、ほとんどこれです。

 但し、ゆらぎとは、非規則性が原則。つまり、規則性があって、人にとって予想のできる「想定の範囲内」なものに、人の心はゆらぎません。
 例えば、Facebookでは、「いいね!」を貰う事や、誕生日おめでとうメッセージを貰うのは嬉しい事です。しかし、それらは、今やFacebookでは「想定の範囲内」の出来事なので、深い感動までは至らない。

 例えば、お誕生日おめでとう!であれば、他人がやらないような、動画付きのメッセージを送ったり、Facebookではなく手書きの葉書でお祝いするなど、想定外の行為を考えるべきです。

 常に、ファンや友達にとって、予想以上の「想定の範囲外」を考えて、ゆらぎの発生を意識する事が大切です。


まとめ

  • 展開の早いソーシャルメディアは、媒体の適性を見極めて「全体」に素早く組み込んで、ビジネスの新たな活路を見出す。但し、ソーシャルメディアにだけ固執しない。
  • テーマ性自由闊達。これらを両立したコミュニティで、参加者の自発性を発現し、創発性を生む。
  • テクニックだけで「上手だけど面白くない人」にならない様に、予想外の「ゆらぎ」を連鎖させて、ソーシャルメディアで大きな潮流を生む。

 是非、ソーシャルメディアのパーツに振り回されず、俯瞰から大きく捉えて、自分に最も適した活用を行ってください

今回のまとめ
テクニックを超えた、複雑系の考え方を常に意識する

ご参考に:Facebookで儲けたい!という中小企業ほど儲からない理由