ビジネスの下流・上流とは?
戦略の前に戦術なし。FacebookやTwitterなど、ソーシャルメディアの細かい戦術よりも前に、もっと大きな戦略の構築が大切!
ということで、今回は戦略思考として、ビジネスの攻め方として、上流をとりましょう、というお話。
戦略と戦術については、こちらをご参考に
Facebookのビジネス成果は既に企業戦略で決まっている
そもそも、ビジネスの上流・下流とは何か。下記の図のような考え方です。
- 上流に行くほど、概念的・普遍的なもの。付加価値が高い。
- 下流に行くほど、即物的・流動的なもの。
こんな形になります。所謂、世の中の付加価値が高く、利益性の高いブランドと呼ばれるものも、上流にある価値観の形成の1つであると言えます。
上流をとれば、企業の利益性は向上しますが、一足飛びに上流を取ることはできません。まず、ビジネスは下流を固めて、上流を目指していくのが原則です。
無印良品で例えてみる
例えば、今ではお馴染みのブランドの無印良品を、上流・下流で当て嵌めて分析すると、下記になります
無印良品も、初期の顧客認識は、シンプルでお洒落な雑貨・文具の小売店でしかありませんし、その顧客認識のままで終われば、今の繁栄はあり得ません。
無印良品の場合、店内のディスプレイや商品そのもので、「無印良品らしさ」の価値観を絶えず伝えてきました。そして、リピート顧客となり、店舗での再購入が増えるほど、無印良品への信頼性が向上して、無印ファンとなっていきます。
無印ファンは、無印良品の提案するライフスタイルを素晴らしいものだと共有し、喜んで購入をしてくれます。よって、今の無印良品の店頭でも見られるような、雑貨や文具だけでなく、家具や寝具、家電製品などといった、様々な幅広いラインナップが、無印良品というブランドの元に展開されています。
上流をとって下流へ裾野を広げる
上流である概念・価値観の部分をおさえると、客単価と利益性の向上に繋がるのは勿論、企業の事業展開において、上流から下流へ裾野を広げることで、事業規模を大きく出来ます。
例えば、下記は私の地元である、岐阜を本拠にするシャルドネさんの事例。
シャルドネの場合、スタートは天然無垢材の家具・インテリアのお店でした。そこから、天然無垢材を求める顧客の
天然無垢材で達成される、お洒落で安全・安心な空間
という目的に徹底してアプローチを行っていく事により、
未来ある子供にも優しい素敵なライフスタイル
という上流にある価値観(ブランド)を得ます。
こうして、上流を押さえた後、家具・インテリアから、更にステップアップした、自然素材の住宅・マンションやリフォームなど、下流に裾野を広げて、今に至ります。
尚、この辺りの商品開発は、商品戦略の捉え方にも通じます。その辺りは、このブログでも追って取り上げていきます。
下流で留まると生き残れない
上流をおさえて、事業規模の拡大や、利益性の向上を目指すのは重要です。
それ以上に、重要なのが、下流で留まらず、上流に進むことで、ここ最近の世の激変であっという間に淘汰されるリスクから逃れることです。
例えば、私の所属しているソーシャルメディア業界は、その最たるもの。Facebookコンサルタントやソーシャルメディアマーケティングと言う肩書きの人達が、5年後にも生存しているかどうか、怪しいものです…。
Facebookも、ソーシャルメディアも、そのもの的な取り扱いに留まることは、下流で留まることです。そして、下流にあるものは、世の流れが変われば、あっという間に枯渇して消え去ります。
例えば、一時、持て囃されたグルーポン系のサービスなども、ソーシャルメディアの潮流に乗れなかったことで、今では見る影もありませんよね…。
間違いなく、ソーシャルメディア業界にいる人達は、まずは、そもそも顧客がソーシャルメディアを通じて達成したいものは何か。その目的に対して、的確な提案を行うビジネスモデルを再構築して、より上流に位置しなければ、あと数年後にソーシャルメディア●●な人達は消え去ることになってしまいます。
そして、弊社が、ソーシャルメディアのマーケッターやコンサルタントでなく、ソーシャルメディアに詳しい経営コンサルティングである由縁も、この上流をおさえていくという、戦略思想に基づくものです。
まずは下流を固める
とはいえ、いきなり上流をとるのは困難です。まずは下流を固めると共に、上流へ進むための努力を行うべきです。
- 商品・サービスの信頼を顧客から獲得し、それを積み重ねる
- 顧客が商品・サービスを通じて、達成したい目的を把握する
- その目的達成の正確な提案を行う、実力をつける
多くの中小企業の場合は、まずは基礎(下流)固めが大切で、ここが時間が掛かる所でしたが、今は、お客様との関係性を、ソーシャルメディアを活用することで、より接近戦で行うことで、その時間の短縮が行えるのは、皆様、お気づきのとおりです。
いずれにしろ、「千里の道も一歩から」と言います。ぜひ、熱意と向上心あるビジネス人の方こそ、気合を入れて、上流を目指して一歩一歩と、着実に歩んでください。
今回のまとめ 足元を踏みしめながら、確実に上流を目指す