社内SNSにFacebook活用/ナレッジ・デザイン信田哲彦氏


Facebookで社内SNS構築の実例

 顧客との関係性ばかりが注目されるFacebook。上手に使えば、Facebookは組織内のコミュニケーション・ツールとしても機能させることができます。

 Facebook活用で成果を出している成功者の方にお話をお聞きする、ソーシャルメディア・サクセスTV。

 今回は、ゲストに岐阜・愛知の大型書店カルコスと、文房具のKDMを率いる、株式会社ナレッジ・デザイン 信田哲彦社長に、実際にFacebookの社内SNS導入しての苦労と、成功する秘訣をお聞きしました。

ゲストの信田社長が撮影
写真撮影が趣味でもある、ゲストの信田社長が撮影

ナレッジデザインのFacebookの社内SNS成果

  • 足の早い商品の情報共有で、機会損失が減った
  • 拠点や勤務シフトの関係ですり合わせが出来なかった、全体の意思疎通が実現
  • 店舗の動きから日々のクレームまで、常に経営者が会社を見渡せるようになった

 社員に任せるだけでは上手くいかない、社内SNSの運用について語って頂きました、インタビュー動画。

ソーシャルメディア・サクセスTV (インタビュー動画:20分)
ゲスト:株式会社ナレッジ・デザイン 代表取締役 信田哲彦

インタビューの要点は、下記の通り。


Facebookの導入理由

  • リアルな書店と文具の通販で店舗や拠点が別れている中、電子メールで情報共有を行なっていたが、メールは読むタイミングが遅れる。同時に、気軽・簡単に書きづらい欠点があった。
  • 社内SNSにFacebookを導入した理由は、投稿・コメントの敷居の低さと、グループ機能で非公開のコミュニケーションが可能になった事。迷わず、社長の決断で導入した。
  • 社内のコミュニケーション・ツールの導入に重要なのは2点。第一に「会社として本気でやる気があるか」。第二に 「それやるメリットがあるか」。それをクリアしたのがFacebook。

社内SNSへの導入状況と結果

  • 社員は約50名。業務連絡網として、全社員がFacebookアカウントを取得。
  • 導入後に半年経過で、累計約5万4000件の社内の情報のやり取りが行われ、社内間の情報格差が無くなった。
  • 社員同士は情報のやり取りだけでなく、「ありがとう」のコミュニケーションも成立している。
  • 拠点・シフト・休みもバラバラの業務形態だが、SNSを通して社員が交流して、チームワーク感が増した。
  • 発信情報に対して、読んだことは、いいね!の反応で置き換えることで、情報の伝達状態を確認できる
  • 店舗が増え、視察が難しくなってきた中、社内SNSで情報・状態が見えているので、社長として安心できる。
  • また、社員近況もSNSで把握できるので、視察などで、たまにしか会えない社員との意思疎通がスムーズになった。

熱く語るナレッジデザインの信田社長
熱く語るナレッジデザインの信田社長

社内SNSの運用ルール

  • SNSへ絶対に流す情報は下記3つを定めているが、他の縛りは設けていない。
  1. トラブル・クレーム
  2. 売れ筋・死に筋の商品情報
  3. 新入社員(勤務一年未満)の日報
  • 長期保管が必要な情報は、グループのドキュメント機能を使う。
  • 特に、現場でのトラブル・クレームを社内SNSで情報共有するのは、絶対ルール。
    もし、後から発覚した場合は、『隠蔽』として、始末書など厳しい処罰がある。
  • トップ自らが、社内SNSの警察官となり、ルールにそって、適切に情報共有がされているかを確認する。
  • Facebookのセキュリティ面の不安に対しては、顧客情報と経営に関する情報など、機密情報は、FBではなくメールで行う形で対策。(しかし、実際は、機密情報は少ない為、大多数の情報はFacebookで共有できる。)

導入から定着まで

  • 最初の導入1ヶ月は、Facebookに敏感なメンバーが、情報発信のお手本を見せて、徐々に浸透
  • 特に初期は、なぜ「情報共有」をしなければいけないのか、「情報共有」をする事で組織に、どんな効果があるのかを、根気強く説いていた。
  • 情報発信をしないスタッフには、社長自ら、「情報共有」が会社方針であり、査定にも影響する事を示して、諭す。
  • 1年以上務めた社員には、Macbookを一台支給し、情報共有をする体制があったので、Facebookの導入はスムーズだった。
  • 監視してキチンと運用を行っていくと、トップがいなくても、円滑な情報共有が自然と行われる環境が、勝手に出来上がっていた。

 今回、示唆に富む内容が沢山ありましたが、特にFacebook的な社内SNSを運用して成果の上がる企業体が見えてきました。

  • 商品・サービスの足が早く、リアルタイムに情報共有をして、素早い意志決定が必要な業態
  • 距離と時間がバラバラ。若しくは組織が大きく、社員が一同に介すことが難しい業態
  • 社内SNSを組織変革ツールとして、経営者が、しっかりと取り組む意志がある企業

 これに合致する法人企業は、社内SNSの導入で大きな成果につながるでしょう。

 その一方で、社員はプライベートな人間関係で成り立つFacebookに、仕事の人間関係を入れる事へ抵抗がある事も多いように感じます。

 その場合は、操作感はFacebookに類似しているが、ドメイン毎に分けられ、仕事(企業内限定の交流)だけに特化したSNS、chatterを導入するという手段もあります。

無料の社内SNS。Facebookに抵抗があればchatter

 Facebookにしろ、chatterにしろ、社内SNSの活用により、情報共有を欠かさず行い販売機会を増やし、社員も経営者も風通しの良い快適な組織作り。一度、検討してみては如何でしょうか。

今回のまとめ
社内SNSの導入の成功にはトップの強い意志が大事

株式会社ナレッジ・デザイン

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