知っておかないと、騙される!?初心者注意
「社長の名前で届いた」「家族と同じ声がした」「会議で本人の顔を見た」。そんな理由だけで、急ぎの送金や情報共有をしていませんか。AIで自然な文章や音声、画像、動画を作れる今、見た目や声だけで相手を確かめるのは危険です。
この漫画では、メール、SNS、電話、ビデオ会議を使ったなりすまし事例と、本人確認の方法を初心者向けに解説します。偽物を見破れることに期待せず、非日常的なお金の依頼はいったん止め、既知の別ルートで本人確認する。この習慣を身につけましょう。
※社長名メールやアカウント乗っ取りには、AI利用が確認されていない事例もあります。AIによる偽プロフィール・音声・映像と、従来型の詐欺を区別して紹介します。漫画の会社と人物は教育用の創作です。
漫画で読む:恐怖のAIなりすましのひみつ

表紙|登場人物と、偽の顔が迫る物語
- この漫画は、偽のメールやSNS、電話、会議画面から送金を迫られる社長を描いた教育用の創作です。実在の会社や被害者を再現したものではありません。

1ページ|本人名のメールでも油断できない
- 社長名や会社名を使うメールも、表示名だけでは本人の証明になりません。警察庁が2026年に注意喚起したニセ社長詐欺では、SNSグループに誘導して急ぎの送金を求めます。公表資料はAI利用を確認した事例ではありません。
- QRコード返信や送金の指示は保留し、名簿の電話番号など既知の別ルートで本人確認。警察庁も社内共有と送金ルールの再確認を呼びかけています。同じ注意を経理や関係者にも共有します。

2ページ|SNSの知人、本物?
- FBIは、AIで自然な文章や架空プロフィールを作る手口を警告しています。乗っ取られた本物のアカウントから連絡が来る従来型の詐欺もあり、IDや過去の会話だけでは本人と判断できません。
- 急な立替やリンクの依頼には返信せず、登録済みの電話番号など別経路で本人へ確認します。SNS上の相手に教えられた番号やリンクは、確認先に使いません。乗っ取りが疑われたら運営会社の公式窓口に相談しましょう。

3ページ|電話の声も偽装される
- FBIは、家族の声を模した短い音声で緊急の金銭を求める手口を警告。米上院で証言したJennifer DeStefano氏も、娘の声に聞こえる誘拐の脅し電話を受けたと説明しています。本人は声がAIで複製されたと考えたと証言しました。
- 娘は無事と確認され、証言者は送金していません。声のAI利用が技術鑑定で確定した事件という意味ではありません。電話を切り、既知の番号へ折り返し、家族と決めた合言葉も確認します。相手からの着信番号へそのまま折り返さないことも大切です。

4ページ|会議画面の参加者も偽装
- 香港政府が警察の回答として公表した事案では、2024年1月末、事前録画の偽会議映像の後に5口座へ約HK$200 million(約2億香港ドル)が送金されました。公開動画や声が素材とみられ、被害者との対話はなかったと説明されています。
- 別の事案では約HK$4 millionの送金指示も報告されています。Zoomなど会議サービス自体の侵害と同じ意味ではありません。会議に出たことを承認にせず、参加者を別経路で確認します。

5ページ|詳しく知る=本人ではない
- 役職、取引先、社内用語を知っている相手でも、本人の証明にはなりません。公開情報や漏えい情報の一部を使い、自然な言葉で話を合わせる場合があります。
- 「詳しいから本物」と決めず、情報の量に惑わされないこと。すべての個人情報を知られていると考える必要はありませんが、知識を示されても既知の別ルートで確かめます。知っている住所や最近の予定を口にされても、本人確認の答えとは限りません。

6ページ|急な送金は例外にしない
- 「極秘」「今すぐ」「確認不要」「振込先変更」など、いつもと違う依頼は一度保留します。高額送金や初めての相手なら、顔・声・表示名が本物らしくても、その場では承認しません。
- 画面を閉じ、振込先を社内台帳と照合してから、登録済みの番号へ折り返します。焦らせる依頼ほど、決めた確認手順を飛ばさないことが大切です。「あとで戻す」と急かされても同じ手順を守ります。

7ページ|組織のルールが最後の防波堤
- 社内ルールは社長にも同じように適用します。依頼を受けた担当者は送金を保留し、既知の番号で依頼者を確認。振込先変更や高額送金は、別の担当者が台帳と照合します。
- 確認した人、日時、口座、承認を記録してから処理します。本人の顔や声、会議画面を理由に手順を飛ばさないよう、迷ったときの相談先まで全員に共有しましょう。同じグループに複数人いるだけでは、独立した確認とは言えません。

8ページ|家族とアカウントにも確認の型
- 家族とは緊急時に使う合言葉を決め、SNSや連絡先一覧には残しません。不審なリンクを開かず、公式アプリから確認。二段階認証やログイン通知の設定も見直します。
- 乗っ取りが疑われたらパスワードを変え、見覚えのない端末をログアウト。運営会社へ相談し、知人にも別経路で注意を伝えます。設定変更は公式の案内から行いましょう。ログイン情報や確認コードも相手に伝えないでください。

9ページ|偽物を見抜くより確認の型
- 偽物の顔、声、IDを見抜くことだけに頼ると、相手の用意した画面に判断を委ねることになります。本人確認には、依頼が届いたチャンネルと別の、前から知っている連絡先を使います。
- 会社では口座照合と二人承認、家族では折り返しと合言葉。確認できなければ送金や情報共有を保留し、責任者や金融機関、警察などへ相談します。社長本人からの依頼でも、この手順を飛ばさないことが大切です。
漫画のあとに実行する、本人確認の行動まとめ
- お金の依頼は、まず保留。「極秘」「至急」と言われても、チャットや会議の中で送金・口座変更を決めない。
- 別の連絡手段で本人へ確認。着信番号や相手から届いたリンクを使わず、電話帳・社内台帳に登録済みの番号へ自分から連絡する。
- 会社は、振込先照合と二人承認。高額・初回・振込先変更は別担当者も確認し、社長の指示にも例外を作らない。日時と承認者を記録する。
- 家族は、折り返しと合言葉。緊急用の合言葉はSNSに書かず、別の家族へも確認する。
- 送金してしまったら、すぐ相談。金融機関と警察へ連絡し、不審なアカウントは公式窓口に報告する。警察庁の相談窓口は#9110などです。
まずこの記事を読んだ今日、家族や職場で「急な送金は保留し、登録済みの別連絡先で確かめる」と決めて共有してください。会社では口座照合・二人承認、家族では折り返し・合言葉まで、実際に使う手順にしておきましょう。
事例・対策の出典
公的機関等が公表した資料です。ニセ社長メールの注意喚起を、AI利用が確認された事件として扱ってはいません。
- 警察庁「法人を対象とした詐欺(ニセ社長詐欺)に注意!」(2026年2月13日)
- FBI/IC3「Criminals Use Generative Artificial Intelligence to Facilitate Financial Fraud」(2024年12月3日)
- FBI/IC3「Claims of Being Stranded Swindles Consumers Out of Thousands of Dollars」(2010年7月2日。既存アカウント悪用の従来型手口)
- 香港政府「LCQ9: Combating frauds involving deepfake」(2024年6月26日)
- 米上院・Jennifer DeStefano氏の証言「Abuses of Artificial Intelligence」(2023年6月13日。本人の証言で、技術鑑定の確定記録ではありません)
- 警察庁「サイバー警察局便り 2025 Vol.5」(SNS等のアカウント乗っ取りへの対策)
執筆:坂田誠(株式会社はちえん。代表取締役)
情報確認日:2026-09-26
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