AIで文章や画像を作れるようになった。その次に社長が考えたいのは、自社の現状を知り、利益につながる行動をどう決めるかです。
2026年10月30日、岡山市東区のカフェギャラリー茶蔵で「本当の『利益をつくる』AIの使いかた|ChatGPT経営活用」を開催し、講師を務めました。株式会社はちえん。代表取締役の坂田誠です。
受講者は7名。主に岡山の事業者の皆さまにご参加いただき、なかには愛媛から3時間半かけて来られた方もいらっしゃいました。ありがとうございました。
今回の資料のテーマは「社長のAI活用 4つの間違い―現状分析・事業戦略・行動管理まで」。講師としてお伝えしたかったのは、AIを便利な道具として使うところから、経営を考え、動かすための力へと広げていくことです。
岡山市AIセミナーの開催概要
| 講座名 | 本当の「利益をつくる」AIの使いかた|ChatGPT経営活用 |
|---|---|
| 日時 | 2026年10月30日(金)19:00〜21:00 |
| 会場 | カフェギャラリー茶蔵(岡山県岡山市東区西大寺中3-9-25) |
| 講師 | 坂田誠(株式会社はちえん。代表取締役) |
| 受講者 | 7名。主に岡山の事業者の皆さま |
| 事務局 | 株式会社はちえん。 |
日時・会場などは開催案内をご覧ください。この記事の講義内容は、当初の案内ではなく、今回使用したスライドに基づいて整理しています。

事務局を務めた株式会社はちえん。では、AI・SNSの教育やAIによる業務改善などを手がけています。中小企業や小規模事業者が、使い方を知るだけで終わらず、自社の経営や日々の仕事に活用できるよう支援しています。
社長のAI活用で見直したい4つの間違い
ChatGPTにメールを書いてもらったり、画像を作ったりすることは、AIに慣れるよい入口です。ただし、そこで止まると、社長が本来取り組みたい「何を改善し、どう利益をつくるか」には届きません。
今回の資料では、AI活用が経営の行動につながりにくい状態を、次の4点に整理しました。
- 文章・画像の作成だけで止まる
- AIを経営の右腕として任せていない
- 事業の設計を見直していない
- 目標・週次行動・振り返りがない
1.文章・画像作成だけで止まる
社長がAIに相談できる材料は、文章や画像の依頼だけではありません。売上、粗利、商品、顧客、費用などを、入力してよい範囲で整理すれば、自社の状況を見直す助けになります。
例えば、売上が大きい商品と粗利が大きい商品が同じとは限りません。売上順に並べるだけでなく、利益も比べる。すると、どの商品を誰に提案するか、どの費用を見直すかを考える入口になります。
ただし、AIが示す原因や改善案は、そのまま正解と決めないこと。元の数字や計算、実際のお客様の反応を確かめ、現場に合うかを判断します。
2.AIを経営の右腕として任せていない
「売上を上げる方法を教えて」と一言聞くだけでは、自社の事情に合う答えは得にくいものです。そこで、目的、使える材料、欲しい完成形、判断の基準を伝え、整理や比較をAIに手伝わせます。
例えば「今月の売上と粗利を商品別に整理し、優先して検討する商品を3つ挙げ、理由と確認すべき点を示して」と頼めば、次の判断に使う材料を作れます。数字は架空・匿名化するなど、共有できる範囲で扱いましょう。
AIが担うのは、集計や選択肢の比較、計画のたたき台づくり。何を優先し、実行するかを決めるのは社長です。外部への送信、公開、支払いなども、人が確認してから進めます。
3.事業の設計を見直していない
AIに宣伝文を作らせる前に、「誰に、何を、どこで、どう売るのか」を見直すことも大切です。商品やお客様、採算、費用を棚卸しし、今の事業のどこを改善するかを考えます。
AIは、社長一人では思いつかなかった選択肢を出したり、案の違いを整理したりする相手になります。ただし、魅力的な提案でも、お客様が本当に求めるか、利益が残るかは別の話。まず小さく試し、実際の反応と採算を見て判断します。
4.目標・週次行動・振り返りがない
立派な戦略を作っても、実行する時間が決まらなければ、日々の仕事の中に埋もれてしまいます。資料では、90日後の目標から月・週の行動へ分け、「誰が、いつ、何をするか」を具体化する流れを示しました。
例えば「今週は既存のお客様に何件提案する」「週末に提案数と購入数、粗利を確認する」と決める。結果を見て、翌週に続けることと変えることを選ぶ。この繰り返しが、AIの提案を現場の行動につなげます。
受講者の皆さまからいただいた声

受講後には、次のような声をいただきました。
「AI活かせてなかったけど、面白くなってきました!」
「AIを一番有効に活用できる方法を教えて頂けたと思いました。自分ではなかなか戦略とか浮かばないので使いこなせるようになりたいと思います」
「まさにピッタリどハマりでした。後はやるだけです」
いただいた言葉から、AIを使うこと自体よりも、自分の事業にどう生かすかに関心を持っていただけたことが伝わってきます。特に「後はやるだけです」という一言は、講師としてうれしいものでした。
もちろん、AIに相談しただけで利益が増えるわけではありません。考えたことを試し、結果を確かめ、次の行動へつなげていく。その一歩を後押しできればと思います。
明日からできる、社長のAI活用の始め方
最初から大きな事業計画を作ろうとしなくても大丈夫です。まず、今気になっている経営課題を一つ選び、1週間で試せる行動まで落とし込んでみてください。
- 課題を一つ決める:例えば、利益の出る商品を把握したい、既存客への提案を増やしたい、など。
- 材料を整理する:顧客・商品・売上・粗利・費用など、共有可能な情報を用意する。
- AIに整理と比較を頼む:目的、材料、欲しい完成形、判断基準を伝える。
- 自分で選び、小さく実行する:案の根拠を確認し、担当と期限を決める。
- 1週間後に見直す:実際の行動と結果を記録し、翌週の打ち手を決める。
個人情報や社内の機密情報を入力する前には、共有の可否と利用先の設定・契約を確認してください。パスワードや認証情報は入力せず、AIの回答に含まれる数字や事実も元の情報に照らして確認しましょう。
AIの経営活用でよくある質問
ChatGPTの使い方に慣れていなくても始められますか?
はい。まず一つの課題を選び、共有できる範囲の自社情報と「何を整理したいか」を伝えるところから始められます。返ってきた答えを読み、不足している条件を追加しながら対話を続けましょう。
AIが作った事業戦略をそのまま実行してよいですか?
そのまま採用せず、前提となる数字、顧客の反応、費用、現場の制約を確認してください。AIは比較や検討を助けますが、実行の判断と責任は経営者が持ちます。
講師・執筆者:坂田誠
坂田誠(株式会社はちえん。代表取締役)。中小企業向けに、Web・SNSや生成AIの実践的な活用を支援しています。2010年から全国で1,400本以上のセミナー講師を務めてきました。この本数はAIに限らず、SNS・ITなどを含む講演実績です。
本記事は、当日使用したスライド、開催写真、開催案内、受講後にいただいた声をもとに、講師の視点でまとめました。ご参加くださった皆さま、会場の皆さま、ありがとうございました。
経営者向けのAIセミナーや研修をご検討の企業・団体の方は、株式会社はちえん。へお問い合わせください。
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