名古屋圏の経営者40名が学んだ生成AI活用の現在地!
2026年7月22日、名古屋商工会議所「鯱の会」未来研究会の例会にて、「実践!生成AI」をテーマに講演しました。
会場は42名定員の会議室です。当日は聴講者40名、講師1名となり、ほぼ満席の状態での開催となりました。
参加者の多くは、名古屋圏を中心とする企業経営者です。
ChatGPTを日常的に使っている人は多い一方で、AIエージェントまで業務に取り入れている人は、まだ少数でした。
講演では、ポスターや動画の制作から始め、AIOへの対応、AIエージェント、AIオーケストレーションへと話を進めました。
最後まで真剣に耳を傾けていただき、終了後の懇親会にも約30名の経営者が参加しました。
自社とAIの今後について、会場内外で熱い議論が続く一夜となりました。

開催概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 講演テーマ | 実践!生成AI――知っているAIから、会社を動かすAIへ |
| 開催日 | 2026年7月22日 |
| 会場 | ウインクあいち1005号室 |
| 主催 | 名古屋商工会議所 鯱の会・未来研究会 |
| 会場定員 | 42名 |
| 聴講者 | 40名 |
| 講師 | 株式会社はちえん。代表取締役 坂田誠 |
| スライド制作 | 株式会社はちえん。AI社員 菊理はちこ |
| 懇親会参加者 | 約30名 |
今回使用した資料は、全42ページです。
スライドでは「AI時代の主人公になるか」という問いから始まり、AIに翻弄される会社と、AIを使って未来を切り開く会社を対比しました。
ChatGPTを知る段階から、会社を動かす段階へ
今回の講演で最も伝えたかったのは、ChatGPTは文章を作るだけの道具ではないという点です。
生成AIはすでに、ポスター、画像、動画、文章などのコンテンツを作れます。
さらに、経営分析、事業計画、売上向上、商品開発、営業戦略、集客、採用、業務改善など、経営全体の支援にも使えます。
実際のスライドでも、生成AIの活用領域として、経営分析から業務改善までを一つの図に整理しました。
小規模企業では、社長が営業、採用、広報、商品企画などを兼務しているケースが珍しくありません。
AIを活用すれば、これまで社内に置けなかった専門スタッフの役割を補えます。
だからこそ、大企業だけでなく、少人数で運営する会社にとっても、生成AIは重要な経営資源になります。
冒頭ではポスター・動画・コンテンツ生成を紹介
講演前半では、ChatGPTを活用したポスターや動画、各種コンテンツの制作について紹介しました。
生成AIの成果は、画像や動画としてその場で確認できます。
そのため、「AIは難しそう」と感じている人にも、変化を直感的に理解してもらいやすい分野です。
しかし、今回の講演は、制作機能を紹介して終わるものではありません。
コンテンツを作れることを入口にして、次の問いへ進みました。
作った情報は、これからAIに見つけてもらえるのか。
AIは、自社を推薦候補として扱ってくれるのか。
この問いが、AIOの話につながります。
AIOとは、AIに理解・引用・推薦されるための情報整備
AIOとは、AI Optimizationの略として使われ、AIが情報を理解し、回答や推薦の根拠として扱いやすい状態に整える考え方です。
従来は、お客様がGoogle検索の結果を見て、複数のウェブサイトを比較していました。
今後は、GoogleやChatGPTなどのAIに、
名古屋でおすすめの税理士を教えてください。
愛知県で少量生産に対応できる会社を教えてください。
と質問し、AIが提示した候補から会社を選ぶケースが増えていきます。
講演資料では、この変化を次の流れで示しました。
お客様がAIに相談する
→AIが調査する
→AIが比較・整理する
→候補を推薦する
→お客様が選ぶ
つまり、会社がお客様に選ばれる前に、AIの比較候補へ入れるかどうかが重要になります。
AIへの対応は、広報担当者だけの仕事ではありません。
自社が誰に、何を提供し、どんな強みと実績を持つのかを明確にする必要があります。
これは、ホームページの技術的な対策ではなく、経営戦略そのものです。
AIに選ばれるには、信頼できる自社情報が必要
AIに会社を推薦してもらうための裏技はありません。
重要なのは、お客様が会社を信用するために必要な情報を、具体的かつ正確に公開することです。
たとえば、次の情報です。
- 商品やサービスの内容
- 価格や対応範囲
- 得意とする顧客層
- 代表者の経歴
- 専門資格
- 数字を伴う実績
- 導入事例
- 顧客の声
- よくある質問
- 最新の営業情報
- 問い合わせ先
講演では、AIの性能だけでなく、AIへ渡す情報の質が成果を左右すると伝えました。
社長の頭の中に会社の強みや実績があっても、文章やデータとして整理されていなければ、AIは活用できません。
自社情報の整理は、AIOのためだけでなく、営業、採用、社員教育、経営判断の土台にもなります。
AIを最も使うべきなのは経営者
社員がAIを使い、メール作成を10分短縮することにも価値があります。
しかし、会社にさらに大きな影響を与えるのは、経営者がAIを使って判断の質と実行量を高めることです。
経営者は日々、次のような判断をしています。
- どの市場を狙うのか
- どの商品を伸ばすのか
- 何をやめるのか
- どこへ投資するのか
- どんな会社を目指すのか
AIを使う同業他社は、市場調査、顧客分析、提案書制作、改善活動を速く進められます。
AIを使わない企業との差は、単なる作業時間だけではありません。
判断の回数、改善の速度、情報発信量にも表れます。
講演では、AIが人の仕事を奪うというより、AIを使う企業が、AIを使わない企業の仕事を奪うという危機感を共有しました。
AIエージェントは、仕事の流れを任せるAI
AIエージェントとは、人間が目的を伝えると、必要な手順を考え、複数の作業を連続して進めるAIです。
従来のチャットAIは、人間の質問に一つずつ答える使い方が中心でした。
AIエージェントは、目的を受け取った後に、
- 必要な手順を考える
- 情報を集める
- ツールを使う
- 成果物を作る
- 次の行動を提案する
ところまで進めます。
たとえば、営業活動であれば、企業情報の調査、見込み客の整理、提案内容の作成、連絡文の準備、反応の分析までを、一連の仕事として支援します。
今回の参加者にはChatGPT利用者が多かった一方で、AIエージェントの利用経験者は多くありませんでした。
だからこそ、現在の便利な使い方だけでなく、その先にある会社運営の変化を伝える必要がありました。
AIオーケストレーションで会社を運営する時代へ
AIオーケストレーションとは、役割の異なる複数のAIを、一つの経営目標に向けて連携させる考え方です。
営業を担当するAI、集客を担当するAI、採用を担当するAI、顧客対応を担当するAIが、それぞれ独立して働くだけではありません。
各AIが情報を共有し、会社全体として一つの目標へ向かいます。
講演資料では、AI活用の進化を3段階で示しました。
| 段階 | AIの役割 |
|---|---|
| チャットAI | 人が質問し、一つの作業を支援する |
| AIエージェント | 人が目的を渡し、一連の仕事を進める |
| AIオーケストレーション | 複数のAIが部門を横断して連携する |
現時点で、すべての中小企業が高度なAIオーケストレーションを導入できるとは限りません。
しかし、会社を将来どのようにAI化するのかを考え始める必要はあります。
今回の講演では、数年先を見据え、AIを単なる便利な道具ではなく、会社を一緒に動かすパートナーとして捉えることを提案しました。
人間が目的を決め、AIが実行を進める
AIが高性能になっても、会社の目的を自動的に決めてくれるわけではありません。
人間とAIの役割を分ける必要があります。
| 人間が担うこと | AIに任せること |
|---|---|
| テーマ・目的・ゴール | 情報収集・整理 |
| 価値観と優先順位 | 分析・アイデア出し |
| 最終判断と責任 | 文章・資料・計画の作成 |
| 法律・倫理・信用の判断 | 数字の整理・改善案の作成 |
経営者はAIの利用者であると同時に、AIの指揮者になります。
どの目的を与えるのか。
何を成功とするのか。
AIの提案から何を選び、何を実行するのか。
最後に責任を持って判断するのは人間です。
満員の会場で、最後まで続いた熱気
当日は、42名定員の会議室に、聴講者40名と講師1名が入りました。
会場はほぼ満員で、講演開始から終了まで高い集中が続きました。
特に、ChatGPTによるコンテンツ制作から、AIO、AIエージェント、AIオーケストレーションへ話が進むにつれ、AIを経営へどう取り入れるかという視点で聞いていただけたと感じています。
経営者向けの生成AIセミナーでは、新しいツールを見せるだけでは十分ではありません。
自社の市場、顧客、商品、営業、組織へどう結び付けるかが重要です。
講演の最後には、参加者へ「明日、AIに任せる仕事を一つ決める」という行動を提案しました。
スライドでも、最終メッセージを次の言葉で締めくくっています。
AIを使う会社ではなく、AIを使いこなす会社へ。
懇親会にも約30名が参加
講演終了後の懇親会には、約30名の経営者が引き続き参加しました。
会場では、自社の業務にAIをどう取り入れるか、AI時代に経営者は何を担うべきかなど、さまざまな意見が交わされました。
セミナーを聞いて終わるのではなく、それぞれの会社へ話題を持ち帰るための議論が続きました。
講演会場だけでなく、懇親会まで熱量が途切れなかったことは、生成AIが経営者にとって現実的な経営課題になっている表れでもあります。
ご参加いただいた皆様、運営を支えていただいた未来研究会の皆様に、改めて感謝申し上げます。
まとめ
今回の生成AIセミナーでは、ポスターや動画などのコンテンツ制作から始め、AIO、AIエージェント、AIオーケストレーションまでを扱いました。
重要なのは、AIの機能を覚えることだけではありません。
経営者が目的を決め、自社情報を整理し、AIを会社のパートナーとして育てることです。
小さな仕事を一つAIへ任せるところから始め、その成功体験を会社全体へ広げていく。
それが、AIを使う会社から、AIを使いこなす会社へ進む第一歩です。
名古屋でビジネスAI研修をお考えの方へ
生成AIの導入は、ツールの契約だけでは進みません。
経営者が自社の目的を言語化し、AIへ渡す情報と仕事を決めることが出発点です。
株式会社はちえん。では、中小企業・経営者向けの生成AIセミナー、社内研修、AI活用支援に対応しています。