2013年、LINEはソフトバンク、auを抜きDOCOMOに迫る


世界6000万人、国内2800万人

 2011年に登場して、まだ二年と経っていないのに、まさに文字通りに爆発的な普及を見せるLINE

 ちなみに国内2800万人という数字は、数字単体で見てもインパクトが大きいですが、携帯電話PHSの契約数との比較をしてみると、もっと、その意味の大きさに気が付きます。

2013年にはDOCOMOを凌ぐ?

社団法人電気通信事業者協会から、平成24年8月末日携帯電話・PHSの契約数データを、LINEの登録ユーザー数と比較するとこうなります。

 つまり、とっくにウィルコムはLINEに抜かれていました。

 ソフトバンクには肉薄。auとの差も僅かのみ。早ければ年内。遅くても、来年には、この2社はLINEに抜かれています。

 また、DOCOMOとは、大差がありますが、今のLINEの伸び率を考えれば、DOCOMOの6000万という数字も抜く可能性は大いにあり得ます。

携帯電話会社への影響

 とはいえ、LINEは携帯電話でも使えますが、主にスマートフォンアプリです。各携帯電話が躍起になって売っている、スマホ端末で動いています。よって、どんどんLINEが増えたとしても、携帯電話会社の回線契約数が減ることはなく、特に競合しないのでは、とも思います。

 しかし、携帯電話会社には、事業面で下記のような、大きな影響が出ることは避けられません。

LINE無料通話の増加による、音声通話料の減少

 音声通話料は、携帯電話会社から他の携帯会社に掛けると発生する。若しくは、同じ携帯電話会社でも21時以降になると発生する場合が多いです。

 多少の問題の音質の問題はあれども、友人・知人と電話でやり取りする際にLINEを使えば、その問題は全て解決しますから、音声通話による収入は大幅に減ることになります。

LINEトーク(チャット)の増加による、メール使用料の大幅減少

 メールも違う携帯電話に送る場合に発生する場合が多いようですが、前述の音声通話と同様、LINEでチャットをした方がてっとり早い。
 しかも、LINEではスタンプを使って楽しくやり取り出来るわけですから、従来のメールやSMSで行うよりも圧倒的に楽しいです。

パケット料金で対応?

 携帯電話会社も当然、パケット定額プランの天井価格の値上げや、データ通信量が圧迫するようであれば、定額制から従量制の移行などで、収益の悪化分を取り戻そうとするかもしれません。

 しかし、他社とのシェアの奪い合いの中で、ユーザーが離れるプラン改定は行い辛い部分もあるので、そこはなかなか問題解決が出来ぬ状態に悩む中、それを脇目に見ながら、LINEだけがシェアをどんどん伸ばすでしょう。

いつの間にか、メールは古臭い時代へ

 私の周りには「LINEなんて、そんなに使わない」という30・40代のオジサン達が多いですが、町中で学校帰りと思われる若者達が
「またLINE送るね」
と言って、別れるのが、既に日常茶飯事の光景になっています。
 また、電車の中でスマートフォンを触っている若者が、何をやっているか見ると、その多くはLINEだったりします。

 商用のやり取りや、情報の受け取り媒体として、電子メールが完全になくなることはありません。しかし、オジサン達が知らない内に、個人間の交流媒体に「メールなんて古臭い」と言われる時代が、あっと言う間に来ていたという、ガクブルな事実が、ここにあります。

 来年、LINEのユーザー数が、DOCOMOの6000万回線を脅かす頃には、世のおじさん達も「LINEなんて知らないし、使わない」と固辞するのは、最早、難しい状況になっているのかもしれません。

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